2001年7月分バックナンバー




回船問屋と聞くと、




7月1日(日)



 別にどうだって良い話なのですが、あまりにも本を読むスピードが遅すぎ更新作業がやりたくても出来ないという状況にあり、一部にサイト閉鎖しちゃったんだねなどといった誤った認識がはびこっているようです。抜本的に解決するのであれば、会社で働いているフリをして実は本を読んでいるなどといった学生時代の内職テクノロジーを駆使したり(抜本的なのだろうか?)することも考えられますが、遅かれ早かれ発露するものと思われます。




 ついてはトップサイトに日記を持ってきて誤魔化してみることとしました。ちなみに誤魔化すとはゴマを入れることで料理の味を調えてしまい、さほどの料理ではないものまでもそれなりのものとしてしまうことに語源があるようです。さーて、うまく誤魔化しきれたでしょうか?




7月11日(水)



 本日から2週間ほど夏休みを取得することになりました。別にどうだって良い話なんですが、ヤクザな会社なもので夏休みなんて存在せず、さらに昨年までは特別休暇として年に3日与えられているだけという状態で、休みたいヤツは有給休暇を取得すれば良いじゃない!取れるものならオレを倒してから取れ!ばりの個人の力量に依拠する素晴らしいシステムだったりします。今年より制度が変わり日間が5日間に延長されたというものの、人間の意識はそれほどドラスティックに変化するものではなく・・。




 おかげで2週間休みを取ると言い出したら、「ヤツは会社を辞めるらしい」などというウワサが出て、当たり前のようにウワサはさらに変化・拡大していつの間にやら「アイツが会社を辞めれば良いらしい」などと伝聞形を取っているとはいうものの、私の存在否定のシュプレヒコールが捲き起こっていたりします。日々の簡素にして劣悪なる人間関係を鑑みるに、トピックが私本人にのみ向けられているところに甘さを感じ、やるなら知人や親族を攻撃対象とするのが正解だろうとひとりごちたとかごちないとか(←ウソ)。




 せっかくの休みだからということで、突然ではありますがイタリア渡航を決意しました。取りあえず往復の飛行機チケットを取得し、現地入りした日のホテルを押さえた時点で、既にグッタリ疲れてしまってやる気なし。おかげさまで、現在この文章を飛行機の中で書いておりますが、まったくもって現地での予定が定まりません。ホテルも決まってなければ、そもそもどこの街を回るのかも決めていない(=知らない)ので、ややヤバめの状況です。




 もっと言ってしまうと、旅の荷物をまとめたのも昨日会社から戻ってきてからやり始め、終わったのが朝の4時くらい。相も変わらずビール片手に、まずは部屋の掃除から入るものだから、進まないこと牛の歩みの如し。さらに調子に乗って、最新ポップ曲はMP3で落として行こうなんて余計なことにだけ気が回るものだからタチが悪い。ちなみに本日成田に向かう途中でスマートメディアスマートメディアリーダーを購入しながら来たらしいっす(眠くて、外の陽射しが強すぎて、本人うろ覚え)。




 なんだか昨年に小笠原に行った時もまったく同様の状況の中で徹夜明けで船に乗ったような気がするのだが、この一年間で私という人間・固体がまったく成長していないという証左であるかと思うと、悲しみに打ちひしがれてみたくもなるというものだ。三つ子の魂百までとは言うが、私は以前三つ子は遺伝子学的に生きられたとしても100までが限界であるという生物学的格言であると信じ込んでいた。知り合いにて、同じ言葉を三つ子で100歳なので一人当たり33歳の短命だと思っていたのがいるが、同様のバカさ加減。





なんだかよく分かりませんが、取りあえず遊んでまいります。




7月12日(木)



 詳しいことは分からないけど、イタリアからちゃんとネット接続できてしまいました。LOOX君はACアダプターがもともと240Vまで対応しており、変圧器不要。なんとなく、ホテルの電話に刺さっているモジュラーケーブルを引っこ抜いてLOOX君に挿し込み、そのままいつものダイアルアップを使用(現在の場所だけイタリアに変更)したらそのまま国際電話で日本にかけたあげくにあっさり接続してしまいました。なんだか、つまんない




 いつまでも今のホテルに滞在するわけではないと思うので(いまだに明日以降のホテル定まらず)、突然音信普通になることもあるかと思いますが、そういう場合は「1.事故に巻き込まれた」(←受動的)、「2.事件を起こしてしまった」(←能動的)、「3.そのホテルの電話回線状況が望ましくなかった」(←環境変化)のいずれかの可能性が考えられます。一般的には回線状況という選択肢がもっともポピュラーかと思いますが、自分を律することにいまいち自信が持てません(←2.なのかよ)。




 とりあえず本日は朝からちゃんと観光スポットに行こうと思ったのですが、自堕落な生活に傾倒しているため、歩き出して5分にして近くに見つけた店でいきなりビールを飲んでいました。周囲のまっとうな方々がサラダとトマトジュースなんぞを頂いている中で、ひとり飲み明かすビールというのもなかなかに健康的な雰囲気をまとって良いものです。お昼はビールとワインを頂きました。ちなみに今はいったんホテルに帰ってきてシャワーを浴びて軽く休憩してから、本格的に夜の街に繰り出そうとしています。こんなところだけ用意周到だったりします。




 本日は、ローマの休日で有名なスペイン広場でそれなりにジェラートとやらを食べながらのんびりして、あたりをうろついた後でトレビの泉を見てきました。この2か所は歩いても10分程度のところなのですが、なぜかこれしか見物していません。のんびりどころの騒ぎじゃないという気もしますが、まあ時は金なりということで・・(ダメじゃん)。なんか外国行ってるとか言い張ってるけど、ホントだろうか?と本人も思いはじめているので、久々にトップページの画像を変えてみました。




と言いつつ、赤富士とかの画像にするのが正解だったか?



7月13日(金)



 日本より旅行会社を通じて予約を取っていたホテル住まいは本日にて終了。とりあえずチェックアウトしてみたら、なんと電話代が10,000円以上(涙)。ルーム代とほぼ同額になっている事態にビックリ。確かにネット接続をする際に、私の使用しているプロバイダーはイタリアでのアクセスポイントがない。仕方がないので、フランスのポイントを使用していたのだが、なぜかメールのアドレスによってはフランスのアクセスポイントだとエラーではじかれてしまう・・。




 そんなわけで日本まで国際電話して、メールをまとめて送ったのだがあまり通信回線状況が良くないようで遅々としてアップロードが終わらない。添付画像がさらに状況を悪化させているのは分かるが、気づけば接続時間が20分を超えていたようで、それが金額的にかなり影響。なお、フランスのポイントに接続していた分はおよそ3割程度の金額だったので、次回接続する際には意地でもフランスで成功させてやろうと不退転の決意のもとにホテルを出た。




 とりあえず本日は、もうちょい真面目に観光旅行をしてみようかと思い、景気付けにビールを頂いてみた。冷静になって考えてみるとビールなりワインなりのアルコールが体内から抜けるまでにどれほどの時間がかかるのかはよく知らないが、おそらく酒気帯びくらいのレベルで考えればアルコールが入っていないのは寝ている時だけなのではないかと恐怖した。なんだか全て酒の席のこととはぐらかされてしまったらどうしよう(←不明)。




 巡った場所は、ヴァチカン市国、ヴィットリアーノ、コロッセオ、コンスタンティヌス帝の凱旋門など。柄にもなく頑張った上に、なかなかの猛暑でもはやヘロヘロ。コロッセオの脇では体力の消耗により道端に座り込んでいたりしたので、けっこう街行く人々の奇異な視線が病みつきになりそうでした(斜陽願望)。これでピッコロのひとつでも吹けるか、ビールの空き瓶(?)のひとつもお手玉できさえすれば、大道芸人街道まっしぐらです。



7月14日(土)



 本日は朝からサンピエトロ寺院へ。昨日も訪れクーポラなるドームのてっぺんへ行こうとするも、あまりの人の行列(列はE列くらい、行は200くらい:非R1C1参照形式)に挫折していたのでした。んでも、朝は8時からクーポラを開けていると聞いたので、嫌がらせのように8時に乗り込んでみると、今度は誰もいない。そら、朝の8時から観光に勤しんでいるヤツなんていやしないよねと半分涙ぐみながら駆け上るクーポラ。ところが駆け上がれども駆け上がれども、まったくたどり着かないクーポラ。涙と汗でぐじょぐじょの僕の前に広がる一面の階段世界で構成されるクーポラ。まったく、マグリットにでも見せてやりたい(←松本精工舎協賛)。




 あまりのしんどさに病や老いなどで体力の衰えたものから、淘汰されていってしまう。日本テレビはこのような状況を以って「知力、体力、時の運」などという名フレーズを作り上げたものの、これを個体の選別と評するのみにとどめ、グーニーズばりに白骨死体の脇を越えて、クーポラを目指すというのは、我々わびとさびを重んじる日本人にとってはなかなかに辛いものがあります(←全般的にウソ)。




 でもホントに途中で倒れそうになっているおばさんがいたので、思わず「天国への片道チケットですね」などと余計なことを言ったら息苦しそうな顔をさらに歪めて怒っていました。ちなみにこのおばさんが人々から遅れること10分にして頂上についたときには「おめでとうございます。前半戦終了です」などとほとんどケンカを売りに来たのかお前?という発言をしたという報告があがってきております。ダメダメです。




 しかしイタリア暑いっす。何度あるのかはイタリアに森田さんがいないのでよく分かりませんが、たまに気を絶しかけるほど暑かったりします。木陰に入るとこれがまた救われたりするのですが、一日外を歩いていたらそれなりに肌のメラニン色素が活性化・沈着化を起こしてしまいました。「気温の上昇はゲータレードへの渇望度合いと比例逓増の関係にある、逆は不可」というのはかの有名なサルティンバンコ氏の提言ではありますが、まさに今私はこの往時の彼の言葉を引用したいと思います(←どこもかしこもウソ)。




 南のほうに行くともっと暑い(熱い?)らしいんだよね。行き先をノルウェー辺りに変えるかな?



7月15日(日)



 なんだかずっとローマに滞在していますが、ローマは火曜日の朝に発つことを決意しました。んでもって、行き先はナポリ。なんかより南になるし、治安は良からずとのことなので、考えるところはありますが、ワインがさらに美味しいという話を聞いて欲望に負けてしまいました。およそ今回の旅は壮大なる飲み会なのではないかという話が出てきておりますが、確かにそうかもしれません。意外な盲点をついていたので、自分でも気づきませんでした。




 とりあえずそこまで決めたので、ガイドブック(地球の歩き方と見せかけて、類似のコンセプトの別のもの:人と同じ道を歩むことを良しとしないから・・)を頼りにナポリのホテルに電話。フロントに17日からの3日間で申し込みするも、「お前の言いたいことは分かったが、このホテルの予約はFAXのみ」とのこと。えっ、FAX?というか、話を聞いてしまう前にFAXって言ってくれよ。そんな聞き上手は嫌っ。




 とりあえず現在泊まっているホテルのフロントに状況を話して、FAXしてもらうことに。なんだか分からんけど、フロントの兄さんが人のFAX内容をチェックして、カード番号を入れたほうが良い・念のためにパスポートナンバーも入れてはどうかとバリバリチェック入れられて、わけのわからぬ敗北感に打ちのめされながらも少なくとも無事送信はされたようです。さーて無事にナポリの夜を過ごすことが出来のかしらん。意味もなく飲み明かさなくてはならないなどといった旅行者にあるまじき行為を強いられなければ良いけど・・。




 今日はフォロ・ロマーノ、カラカラ浴場といった遺跡を巡ってみました。よくもまあこんなバカでかい物を昔に作ったものだねぇなどと思いつつ、照り付ける強烈な陽射しの下で死にそうになっていました。カラカラ浴場を見て回っているときなんて、ひとりで「カラカラ浴場でカラカラ死にしたらどうしよう」なんていま考えるとあまりにクダラナイことを一人でずーっと考えていましたので、結構カラカラ死に直前だったのかもしれません。




7月16日(月)



 ここにあげている文章をいつ書いているのかといえば、夜ホテルに戻ってからというわけではないほうが多く、むしろ観光で歩き回るのに疲れてそこら辺に座り込んでしまっている時に、よいしょといきなりLOOXさん登場というパターンのほうが多かったりします。また場の雰囲気を読むになる私のやることであるので、道端で取り出すくらいであるのならばまだしも、いきなり教会の中で立ち上げてしまったりとまさに場所を選ばずの状況が続いています。




 ヴァチカン宮殿の中なんてこのムチャ暑い中でも肌を露出してはいけないとやらで、ノースリーブの女性や短パン姿の人々がわりと頻繁に入場を拒否されているというのに、私はウィンドウズを起動してしまって本当に神の怒りを買いはしないのだろうか?ヴァチカン博物館の生ミイラ(干しミイラ?)の脇でMP3プレーヤーにパソコンからデータを転送することは死者に対する冒涜に当たりやしないのか?システィーナ礼拝堂の中でおよそCD音質にてアゲハ蝶を歌い上げちゃったポルノグラフィティーは




 ちなみにイタリアのレストランではほとんど必ずと言っていいほどにテラス席が設けられており、そこで食べる人のほうがむしろ多いような状況なのですが、こんなところでノートパソコンを取り出すヤツなんて皆無に等しく、そんな奇行に及んでいると目を背ける青年、仰天して何事かをまくし立てる婦人、連れている子供の目を覆う母親、必死に神の赦しを請う老人などといった反応を楽しむことが出来ます(←もちろん後半ウソ)。




----- ちなみに本日の現地の人との会話(カッコ内文言は心象風景もしくは読心術≠読唇術) -----



  「(オヤジ、)コーラ(を一本くれよ)」 : そもそも英語でいわゆる「おっさん」を意味する単語って何?middle ageとかだとどうもしっくり来ない。

  「(うちは)セルフサービス(なんだよ)」 : いろいろ言ってたけど、聞き取れたのはセルフサービスのみ

  「(ちっ!分かったよ)」 : うなづいただけ

  「(肩からぶら下げてるのは、)なんだそりゃ?」 : これもわずかしか聞き取れず。

  「(耳掛け式の)イヤホンだよ」 : プラスチックと材質で答えようか逡巡。

  「おもろい。売ってくれ」 : たぶん、こんな感じ。

  「セルフサービスだ」 : 一堂、大爆笑→成功。



 イタリアンジョークを身につけて、ヨーロッパ進行。



7月17日(火)



 本日ようやっとローマをあとにすることになった。列車のチケットは昨日購入したというものの、なぜかホテルがまだ決まらず(涙)。しかもなんだか大変なことに、旅のガイドブックなくした(号泣)。どっちかと言うとパスポートがなくなったという方がまだ対処の方法が考えられるが、ガイドブックはどうしたら良いのかさっぱり分からない。ネットに接続可能とは言っても、詳細な情報まで載ってはいないし、そもそもいくら私でもバスに乗るたびにパソコンを開きたいとは思わない。




 けっこう途方に暮れて昨日はそのままフテ寝してしまったのだが、寝たところで妖精さんが本を持ってきてくれる気配は1ミリもないし、突然にイタリア地図が頭に入っているといった人間ナビ(←アルパイン製)機能が備わっているわけでもなかった。しゃあねー、正当法で行こうということでホテルのフロントにガイドブックをなくしたので改めて購入したい。ついては、この辺りで日本語で書かれた書籍を扱っている店を教えて欲しいと伝えた。




 それを聞いたフロント兄ちゃんは勝ち誇った顔で「このホテルには書庫があるから行ってみると良い」などと言い出した。それ見て覚えろっていうのかよと思いつつもとりあえず行ってみると・・。旅行者の残していったガイドブックが死ぬほど置いてありました。私が使用していたガイドブックはマイナーだったためか同じものはありませんでしたが、地球の歩き方はざっと見ただけでも5冊以上はある始末。とりあえず、2001−2002年度版を無事ゲット。大丈夫、世の中ボクを中心に回っている。




 とりあえず地球の歩き方を見て、新たな行き先たるナポリのホテルに電話連絡。電車の出発時間もあと1時間ほどに迫っており、必死さ加減が拙き英語でも電話回線を通じて伝播したものと見え、一発で宿泊OKとなりました(必死さついでになぜか10%ほど値切ってしまった)。魂の叫びっていうんでしょうか?やっぱり人間、守るものがないとどんどんとダメな方向に行ってしまうのではなかろうかと改めて感じてしまいました。人生背水の陣を敷きっぱなしの私が言うのですから、間違いありません。




あれっ、書庫から勝手に持ってきてしまったけど、書庫ってそういう位置付けではなかったんだっけ?



7月18日(水)



 本日は、ナポリから1時間程度船に乗ってカプリという島に渡ってみました。なんでも青の洞窟なる見所があるとのことで楽しみにして船に乗ったのは良いのですが、船酔いする前に爆睡。というか、のび太なみに席に座った瞬間に眠ったようで出発した瞬間を覚えていない。隣のおじさんに起こされたときには既にカプリ島に到着していたというなんだかまるで、飲んで帰る時の終電かのようなの醜態をさらしてしまったのでした。




 島に着いてすぐにでも青の洞窟を見に行くためのさらに船の手配をしようとしたところ、本日は波が高いために出航できないとのこと。そういうことがありえるとは聞いていたのですが、やっぱりショック。とりあえず近くのバール(食事屋さん+飲み屋さんみたいな感じでしょうか)で、ひととおりヤケ酒をあおってさらにエスカレートして会社批判だの官僚批判だのを試みようとするも全然意味がないため失敗。




 まあ、そういうこともあるさと一人ごちつつ島内の観光を行うことを決意。確かに改めて考えてみるとけっこう風が強い。おかげで暑さが緩和してしのぎ易い。これで日陰に入ってボーっとしていると、まさに避暑。海がすぐそこにあると入っても磯臭さみたいなものはまったくないし、潮風のべたつきもほとんど感じない。以前に小笠原に行った時も同様の感じだったが、臭いとかは単純に海がきれいだからのような気もする。浄化の際に放出する多少の臭素。なんだかナウシカ。




 そんな心地良さに完全に打ちのめされてしまい、思わず3時間くらい読書に勤しんでしまいました。冷静になって考えてみると、なんだかとてももったいないことをしているような気もしますが、済んだことを嘆いてみても始まらないでしょう。ボクは反省をしないノーマル猿なので、明日ももう一度島に渡って、木陰でビールかワインでも飲みながら再度読書をしてみようかと現在検討中。下手すると飲んだあとに、そのまま昼寝してしまいそうな自分が怖くてたまりません。



7月19日(木)



 本日夕飯を食べに行ったら、なんだか知らない日本人と知り合いになり(?)、久々の日本語での会話が心地良い。なんでもフランスに料理の勉強で留学していて、夏休みになったのでイタリアに旅行に来てみたとのこと。ふーん、なんだか知らないけどそういう世界に生きている人もいるんだなぁとまさに他人事として関心。なんでも秋にはフランス各地の料理店にそれぞれ配属となって、腕を磨くとのことでそれはそれでとても大変とのこと。そりゃあ、そうだろうね。




 で、そんな話を真面目に聞いていたのかというと、半分真面目に聞いてはいたというものの、半分は飲み仲間が出来たことで喜んでいる自分がいたりして杉浦幸のヤヌスの鏡ばりな性格をしているのかどうかは分からんが、ふむふむなどと分かったような分かっていないようなまったく意味をなさない相槌を打ちながらワイン飲みまくり。ハーフサイズのデキャンタがなんだか4つほど並んだ時点でお店終了。私のアタマも終了。




 明日は朝7時半の電車でミラノまで行くんだけど、時計を持たない私が本当に起きられるのか?一応フロントにモーニングコールをさっき頼んでおいたけど、なんだかあのむちゃむちゃ陽気なイタリア人は人の話を10%も理解していないように見えるのは気のせいだろうか?起きたら9時くらいだったらどうすれば良いのだろう?うーん、やっぱり旅のお供に目覚し時計は必要ですね(というか、目覚ましとかっていう狭義の問題ではなく、そもそも時計が必要という話がある)。




7月20日(金)



 朝起きてみれば6時半。大丈夫、やれば出来る子なんだから。ただ、普段やらないだけで・・。さすがに昨日は飲みすぎたようで、宿酔とは言わないまでもいささか体調が宜しくない。さはさりながらも、とりあえずシャワーを浴びてミラノまでの移動に備える。ナポリからミラノまでって遠いんすね。さっき地図を広げてみて、ビックリしました。ローマからナポリに来るのにユーロスターという新幹線みたいなヤツで2時間程度。今度も同じくユーロスターにて8時間くらい。




 よっぽど飛行機にしようかと思ったのですが、国内線のチケットをどうやったら取得できるのかがいまいちよく分からず、やむを得ず列車大作戦。で、そんな関係で朝の7時半なんていう狂った時間の電車に乗って、中で寝ちまおうと・・。なんだったら夜行列車でも良いなどとたわけた妄想に浸りがちな27歳(独身)。多分こういう思慮の浅い人間って、戦争とかが起きた時に意味もなく領土を広げられるだけ広げて、統治できなくなって落ちぶれていくのだと思う。以後気をつけられたし(小吉)。




 ところが気分の悪いことも手伝って(?)、ほとんど列車内で眠れず。3時にミラノに着いた時には体調最悪。さらには、冷静になって考えてみれば当たり前なのかもしれないが、8時間も北上してきたのであって、ミラノのすぐ脇はスイスだったりします。そんな街にいきなり短パンとTシャツ一枚で降り立ったから、寒いの寒くないのって(→寒い)。列車から降りるなり、よそ様が感動的な再会なんてのを演じているプラットフォームにていきなり着替え始めてしまったりするのは変態です。どうしても必要なのであれば、思い切り良く健康的に行いましょう。




 落ち着いてみると寒いというほどではなくて、一般的には涼しくて過ごしやすいという感じかと思います。ただ、こちらはナポリからいきなりやってきたのが良くなかったようです。ついでに言うと、街はわりと静かで今までのあの喧騒がウソのようです。ローマもひどかったけど、ナポリなんて車道を横断する際にはほとんど自殺行為的に車の流れの中にわが身を投げ出して渡るのですが(ホントだよ)、この街でそれをやったら行為の目的が横断ではなくて単なる自殺になってしまいそうになりました。




同じ国の中でも、カルチャーの違いって大きいですね(←司会者的)。



7月21日(土)



 昨日夜は久々に酒宴に走らず、スカラ座なるオペラハウスにおもむいて 文化人宜しく(?)オペラ鑑賞。とここまではかなり聞こえが良いのだが、ここからが問題。そもそも演目はシンデレラ(多分)。ポスターなんかを見てもどこにもシンデレラなんて書いてないけど、見てきた私が言うのだから多分間違いない。おそらく灰かぶり姫としても知られるシンデレラで合ってると思う。ガラスの靴の話がどこにも出てこず、カボチャの馬車もなかったようだがそこはかとなくシンデレラっぽかった(怪しげ)。




 大体がそもそも私が見たのは本当にオペラというジャンルになるのかどうかが、よく分からない。ミュージカルとの違いも良く分からない。だいたいシンデレラの義理の姉と思しき人物が興奮してくるとなぜか爪先立ちになって歌い上げたりしている。たぶん私を除く観客の人々はそれを見て喜んでいるのだろうが、私なんかは「おいおい、オペラなんだかミュージカルなんだかで悩んでるのに、バレエ路線もありかよ」と作成者の意図に溺れるセンター試験受験生のような状態に陥ってました。




 オペラハウスでやってるものが全てオペラなのであれば、西武球場でやっている(いた?)高校生ウルトラクイズは野球なのかという話にもなりますが、なにはさておき見れて良かったです。その昔ロシアでもオペラハウスに行ったことがありますが、スカラ座では通常の一階の観客席のほかに桟敷席というか個室のような観客席が壁面を埋め尽くしています。たぶん鑑賞という点ではもっと良い施設が十分考えられるのだとは思いますが、あの重厚な雰囲気をもった会場を見れてけっこう感動(趣旨ズレ)。




 なんだか日本に帰ってから、ミュージカルや劇団、能、歌舞伎、狂言なんていう古典芸能なんかをちゃんと見てみたくなってしまいました。



7月24日(火)



 取りあえず、昨日無事に帰国しました。飛行機の中でほとんど眠れずに、成田の税関を通るときにはフラフラしながら充血した目で「特段申告すべき点はありません」と言っても信じてもらえず、バリバリ荷物チェックされてしまいました。ああいう状況の中でビニールに小分けした小麦粉の袋とかが出てきたら、一体全体どういう展開になるんだろう?




 そんなヘロヘロの状況にて、この暑さ。死んでしまうかもと思いながら眠ったら、死んではいなかったけど、カゼ引いてました(涙)。日本の風土に合ってないんじゃないかと一人ごちながらも、じゃあいったいどこの国家なり社会組織が僕に合っているのかは分からぬまま飲むカゼ薬。ちょっとほろ苦い味がしました。




あー、明日から社会復帰しなくちゃ行けないんだけど、とてもじゃないけど間に合いません。














どうにもウニだのイクラだのが山盛となった海鮮丼を連想してならない。





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