12月分バックナンバー



どびん、ちゃびん、ハゲちゃびん。



12月4日(土)

 携帯電話が鳴ると同時にアンテナが光るアイテムの存在は知っていたのだが、どうやら人類はそこで満足するほど淡白な欲望に支配されている生き物ではなかったらしい。この地球上に存在するありとあらゆる材を貪り尽くし、そしてその後は貪欲であるがゆえに再生を図るものと思われる。


 で、光るアンテナの次に出てきたのが携帯と同時に光る付け爪。携帯が鳴ると同時に瓜が光ればより面白いのかもしれないが、爪が光っているだけでも十分に面白い。おそらく携帯を持っているその指先が光っているので、なかなかに練られた案だと言うべきであろう。電源がどうなっているのか知らないし、そもそも有線(エナメル線)であるのかもしれないが物欲はそそられる。


 そこで私も僭越ながら対案を考えてみた。まずは光るものを代えようという基本的なものとして、「髪の毛」。携帯が鳴るたびに髪の毛がボワボワと光を放てば、それはもう新しい世界だと思う。アフリカ辺りでそんな現象を起こせば、いくつかの部族を束ねた王になれると思う。伝説にその名を刻み込めるのである。


 間違っても歯とかを光らせるのは反則だと思う。しゃべるその口元を光らせるのは爪と合わせ技で良いのではないかというのは間違っている。日本人はやはり伝統的に大きく口をあけて笑う事に対して、いまだに抵抗感を覚えているからという有職故実に基づいた見解である。もって、至極なり。


 後は光量の多寡にも気をつけなければなるまい。「光りゃあ良いんだろ」なんてヤケを起こしてカメラのフラッシュなみの光が常時点いているような状態になると、まず間違いなくアクシデントを引き起こす。あとは指向性。間違えて一方向性のある光を天に向かって発するような仕様になっていると、近くの人が見た時に宇宙との交信と勘違いされる恐れがある。ましてや水平にその光が飛んだときには、ヒットマンに打たれる直前のVIPのようで光が当たった人物がパニックを起こす虞がある。


気をつけないとね。



12月5日(日)

 あまり平素から朝寝坊といった行為とは縁の薄い私なのであるが、本日は気づけば朝11時になっていた。通常は土日であっても、平日と変わらぬ日に目が覚めてしまうのでこのような事は奇異であると言って良いかと思われる。そんなに寝たクセになぜか14時から17時まで昼寝をしてしまう私。


 昼寝という甘い蜜の味を知ったのは高校生の時分だったと思われる。それまでは昼寝というのは私の辞書の中にはなく、幼稚園の頃から昼寝の時間が大嫌いであったのだが、それは食わず嫌いとも言えるものだったのかもしれない。やってみればその気持ちの良さにはもはやになって当然というものである。


 夜に眠るのはあまり得意ではなく寝つきが悪いのであるが、昼寝だけは即寝れる。まあ、眠くなったから昼寝をするのであって、寝たくもないのに昼寝をしたことはないのである意味当然なのかもしれないが、その強要性のなさに惹かれているのかもしれない。眠りに陥る瞬間の甘美さも素晴らしいし、起きた後の恍惚感もたまらない。昼寝をした後は視覚が乱れるのであるが、これは私だけであろうか?


 フラッシュバックしたり、画像が波打って見えたり。もはや怪しげな薬物を使用したのと変わりがないと思われるほどの現象が、たかが昼過ぎにベッドに入るだけであなたのものとなりうるのである。必要なのは時間ベッド解脱感のみ。さー、みんなもやってみよー。それと同時に乱用にはお気をつけを。


12月11日(土)

 私がこのサイトを作っているのはホームページビルダー2000というIBMの製品を使用しての事なのであるが、同ソフトを購入する時にデジカメの達人なるソフトとのパッケージ版を選択した。ホームページビルダー単品で買うと10,000円が、セットで買うと12,000円とかといった感じの非常に不可解な価格設定がなされていたように思う。たぶん現在では2001とバージョンがアップしているようだが、同様の現象は散見されていると思う。


 当時はデジカメを所有していないクセに,パッケージ版を選択していた私。人はそのような精神構造を指して貧窮症候群(俗名:貧乏性)と名づけた。ただし言っておくがデジカメの達人を持っていたから、デジカメを購入したわけではない。少なくとも表層的な私の感覚の流れの中ではそのような経路は辿っていない。結果が原因を演繹させる事はあっても、太陽が西から昇ることなどありえない(←意味不明)。


 で、せっかく持っているのだからと本日、埃をかぶっていた同ソフトを開封してみた。インストールもしてみた。触ってみた。そんでもって、挫折してみた。ダメだ、説明書を読まないとレタッチソフトってヤツは手がつけらんない。なんか機能がてんこモリモリになっていることはよく分かる。ウィザードが大量に搭載されているらしく、「次へ」をどんどん押しているとなんだか取り返しのつかないところにまで自分が運ばれている状況もよく分かる。


 ただ自分のやりたい事がそもそも分からない。うーん、致命的。って言うか、なんでデジカメ買ったんだっけ?



12月15日(水)

 ひさびさに本を読み終わった。このサイトを作成してから、以前に本を読み終わったのがいつであるのかが明らかになるようになった。前回が11月24日だったのでおよそ3週間ぶりの読破ということになる。もっとたくさんの本に接したいのだが、いかんせん通勤において電車に乗っているのが5分、バスに乗っているのが5分では、本も進まない。


 さすがに家から駅までの10分の道のりを読書しながら過ごすわけにも行かない。ちなみに会社の同期のかなりの変わり者は、急いでいるときには歩きながらひげを剃るという。私が唖然としていると「バカだなぁ、ちゃんと電気カミソリ使ってるぜ」と言っていた。基準値の違いをひしひしと感じたものだ。


 読み終わったのは、フレデリック・フォーサイスの「イコン」。好きな作家の5本指に明らかに入る彼の作品は、これで打ち止めとのことである。ごく簡単にジャンル分けすればスパイ小説だったりするのだろうが、思い入れの深さからあまりそう簡単に括ってもらいたくないと感じてしまう。ま、人間誰でも主観的にすぎないですし。


 かなりの数の登場人物が出て来たり、そもそも各種特殊機関の名前が大した説明もなく当然のごとく出て来たりと、決して読みやすい本とは言えないかもしれませんが、やはりそこはストーリー性にグイグイと惹きこまれてしまいました。思わず社会人が平日から明け方4時半までかかって、読んでしまいました。おかげで会社に真っ青な顔をして出向くというおまけつき。


ん、お先真っ暗?



12月18日(土)

 昨日夜も遅くに突然オヤジさんから電話が入った。何か事件でも発生したのかと慌ててみれば、in vain。好い加減にお酒の入ったオヤジさんが「あーすまんのだが、JALのマイレージが5万ポイントたまったかどうか見てくれないか?」。このオヤジまさにる。「5万ポイントたまってると特別なサービスが受けられるんだけど、期限が12月までなんだよね」。嫌な2000年問題もあったもんだ。


 仕方ないので携帯で会話を続けつつ、JALのホームページでマイルの確認。なにをどうやらかしたのか知らんが、累積マイル数が23万を超えていた。地球のウェストって何マイル分だったのだろう?4万キロだから、およそ10周。およそなんぞのパラメータをいじったのではないかと疑われるにやむをえない数値であるように思う。


 ついでに彼の知りたかった数値が51000である旨を告げると喜びを隠せないようだった。ただしその後2回も特別なサービスが受けられるとの話しを聞かされた。わしはそのサービスのおすそ分けはいらんので、出来れば平穏無事な生活をつつがなく送りたい。そんな小さな望みを抱えた小さな人間。夜の間に靴を作っておいたりとイタズラ好き。


 あげく51000という数値をより確実に確認したいらしく、携帯の捕らえる電波の向こうにて「獲得ポイントを全部読み上げてくれない?」内訳を読むんかい?これから先の人生・生活も読めないわしが、この大量の数値の羅列を読むんかい。ワンルームマンションの中に、無機質な数値を読み上げる男の声がこだましていた。


オヤジには注意あれ。



12月19日(日)

 まったく個人的なことであるが、いやここに記してあることなど一切オフィシャルな内容はないのでいつものことではあるのだが、山中湖の方に遊びに行って来た。別に何をしに行ったというわけではない。ひさびさに家族とじいさん達が集まって、一泊旅行を行ったというだけだ。正月に集まれば良いじゃんと思われる方もあろうが、決まったものは仕方ない。


 もっと突っ込むのであれば、実家のある横浜にて中華料理でも食べれば良さそうだし、一泊旅行にこだわるのであれば、ほど近い箱根程度で止めておけば温泉もあるし良いじゃんという意見には大賛成である。まったく以ってそれが正解というものであろうかと思う。現に私もそれを指摘した。しかし鶴の一声が飛び出した。


「バカだなぁ、ミレニアムだぞ」。


 ぜんぜん意味分からん。ミレニアムと山中湖の同方向性は一体ドコをどう探ったら、顕在化してくるのだろうか。千年紀と我が家の家族一同というのは、ねじれの関係にあるとしか思えん。慌てて「この一冊でキリスト教が分かる!」などといった本を購入してみたものの、そんなに即座にドクトリンが身に沁みるわけもなく・・


 けっきょく山中湖の夜は、ビールワインとに溺れてしまいました。うちの家族にもちゃんとミレニアムはやってくるのだろうか?



12月23日(木)

 年賀状についての一考察。


1.新しいプリンターを購入した際などには、出し過ぎに注意。
※翌年にはあなたのプリンターはジェネレーションギャップを感じています。60〜70年代に変なサングラスかけて、ピンクとブルーのTシャツを着てしまった経験のある人が教えてくれました。


2.会ったこともない子供の写真に注意。
※他人からすれば単なる幼少者です。少子化が進んでいると入っても、まだ(1999年12月現在)それほど珍しくありません


3.宛名の文字サイズに注意。
※昨今の年賀状ソフトでは自動的にレイアウトを決めてくれますが、「西周」などといった特殊な名前だと、「賀正」よりも大きなフォントサイズになってたまげることがあります。


4.データ内容に注意。
※知り合いで自分の住所を間違えたまま200枚プリントアウトしたのがいます。私は以前に住所データを破壊してしまっていたらしく、「北海道66」というダイナミックな住所で送ってしまったことがありましたが、さすがそこは北海道郵便番号からちゃんと届いたようです。


5.フォントに注意。
※特にPC購入後まもない方に散見されますが、勘亭流は息苦しくなるので止めませんか?


6.手間ひまの掛け方に注意。
※龍のイラストがあって、「2000年」だの「ミレニアム」だのの賀詞があって、「本年もあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします」などのすでに標語化している文章が続き、旧年中の出来事を記し、新年の目標などを記す。あげく郵便番号・住所・氏名・電話番号・会社名・役職・代表番号・ダイヤルイン・メールアドレス・サイトのURLなどと鬼のように畳み込むのは止めませんか?


7.手間ひまの掛け方に注意2。
※だからといって、余白部分がかなり目立つような幽玄な年賀状ももらったほうはかえって寂しいものです。うるさくてすみません。


8.メールを使用した年賀状に注意。
※どうせプリントアウトするのであれば、いっそのことデジタルデータで送ってしまうという案には大賛成です。でもだからといって宛先欄に200人とかって並んでいた日には、けっこう「この年賀状作成にあたり、本当にオレを考えてくれた部分は、200分の1かー」などと、真剣に考えてしまう可能性があります。また初心者の場合、そのまま返信をしてしまってほとんどスパムメールに近い状態を作り出すことも想定されます。




 以上、会社休んでまで年賀状書いてた人のひとり言でした。





12月26日(日)

 先日、家に帰ってきたところで新聞受けのところに不自然なコピーされた紙が入っていることを裸眼にて確認できました。まだ人生経験の浅い私は、お恥ずかしながら脅迫文というものをもらった事がないので、ドキドキしながら目を通したのでした。25歳にもなって、まだ脅迫文の1枚ももらったことがないというので、実家の親も心配はしているのですが・・。


 中身は新聞配達所からのもの。して文面を読むと、「今回サービスの一環として、先着にて20世紀に起きたことがなんでも分かる年表をお届けする」とのこと。「なんでも分かる」とはまた大きく出たなと思いつつ、年表に少し興味を惹かれた私はなんとなく電話をしたのでした。


 電話に出たおじさんは「ちょうど残りが1冊になったところなんですよ」と物理学・数学的に当然にありえる事態の解説を始め、しかも新聞受けに入れておいてくれれば良いと言っているのに、「いや、今すぐお届けしますから」と聞かない。どうせ1枚モノの年表なんだろうから、新聞と一緒に配達しておいてくれれば良いのにと、拡散するであろうエントロピーに思いを馳せつつ電話を切った。


 しかしいざ実物が届いて、焦った。A4版にて厚さは5センチ以上もある本格的な年表だったのである。「なんでも分かる」というのもあながち誇大広告ではないかもしれない。あげく定価9,500円と書いてある。こんなモンをサービス呼ばわりで配ってしまって良いのだろうかという疑念は別にして、私は20世紀を手中におさめた。


 にしてもおそらく、この年表は配達所にも一冊しかなかったんじゃなかろうかと思い、つまるところ、さっきのおじさんはあのセリフを1回しか言えない状況にまで追い詰められていたのではないかと人間観察を事後的に行ったのでした。



12月31日(金)

 本日を以って、今年もその幕を引くことになる。ちなみに私は26歳になった。世の中よりも一日早いタイミングで生きているというか、生まれついてのフライング体質と言えるのかもしれない。なにはともあれ、昨日からカゼを引いたらしく、まったく片付いていない部屋を見まわしながら、かつそのまま実家に戻ろうか同か思料しつつ、2000年へと続いていきます。


 あー、カゼしんどいよ。助けてくれ。





ミレニアム突入。


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